2024年5月社報より抜粋
2024年1月社報より抜粋
2023年9月社報より抜粋
代表挨拶
維新建設社員の皆さん、ならびにご家族の皆様、9月より新社長に就任した庄田です。どうぞよろしくお願いします。私は平成11年(1999年)に入社以降、主に管理業務についてきました。また、平成21年7月から専務取締役として他社の会社経営者さまと交流を深め、多くの意見交換や勉強会に参加させていただきました。この24年の間に経験したプロジェクト工事をいくつか紹介させていただきますと、臨海線建設に伴う大崎駅改良、上越新幹線本庄早稲田新駅、佐野駅JR・東武橋上駅舎化、太田駅高架化、新伊勢崎駅高架化、東武野田線複線化、八ッ場ダム建設吾妻線付け替え、吉川美南新駅、北陸新幹線上越エリア新設、北海道新幹線函館延伸青森エリア新設、JR北海道函館エリア支援、東日本大震災岩手県山田線復興、同福島県常磐線復興工事、宇都宮LRT新設などが挙げられます。いずれの工事も、遠方へ従事してくれた社員と理解して頂いたご家族様、そして地元に残り応援してくれた全ての社員に感謝しなければなりません。また、どの工事も乗り越えなければいけない局面があり、組織としてチームとしてあらゆる課題と向き合った経験が、現在の会社や社員の財産として残っていると感じています。
そして、会社の沿革に関する経験としては、JR東日本様の施策「平成13年8月のエリア変更」があります。このエリア変更では、元請け会社の「ユニオン建設蒲l」とともに高崎線から外れ、新たに東北本線・宇都宮エリアへ引っ越しとなりました。また、歴史ある高崎線沿線の桶川事業所と深谷事業所を断腸の思いで維新建設から切り離し、新会社「高崎建設」を発足させ、高崎線を熟知したベテラン社員らも一抹の不安を抱えるなか、新たな元請会社様の協力会社として再スタートに取り組みました。ちなみに、体制変更した当時は、現在の桶川事業所が「維新建設と高崎建設」双方の窓口事務所としていたため、電話もFAXも同じ番号で運用しており、電話に出る時など元請け会社様により「維新建設です、高崎建設です」と社名を使い分けていました。“エリア変更”だけを切り取ってみても多くの失敗談があり、それなりの大変さはありましたが、今となっては愉快なエピソードとして記憶に残っています。これから3年後の、平成16年(2004年)5月26日に、本社:北九州事務所の管理業務を一部関東に移す目的として、JR川越線指扇駅前に事務所を開設いたしました。これが指扇事務所改め現在の“さいたま事務所”となっています。
〇目指す会社づくり
社長就任にあたり、私が目指す会社づくりを紹介いたします。
@「強い会社」をつくる
昨年の9月社報にも書きましたが“モノづくりの原点は人づくり”です。私たちは、社会の公
共交通機関である鉄道輸送の安全と安定を支えるために存在しています。一方で、人手不足・
少子高齢化という難題が社会全体に重くのしかかっています。そのため、引き続き人材の確保
に向けた施策を最優先課題として取り組んでいきたいと考えていますが、もうひとつの見方と
して、社員一人ひとりのスキルアップに力を入れていきたいと考えています。仮設を含めた社
員の“気づき”や安全感度を押上げ、チーム作業であるからこそ個人の技術力を上げることを
目的に「情報収集、教育、訓練、資格取得」など、様々な取り組みを加速させていきます。そし
て、これまでも取り組んできた機械化の推進と、積極的なプロジェクト工事への参加といった
機動力を加えて会社全体の総合力を高め、大規模な機械施工と少数精鋭によるコンパクトな人
力施工が人手不足に向けた新たな作業スタイルと見据えています。私の目指す強い会社とは、結局のところ“人が経営資源”であることから、多くの社員が活躍する安全と技術の高い会社
となります。
A「正しい会社」をつくる
私たちの現場では、鉄道輸送の安全と安定を支えるため日夜、ミリ単位の基準値内に仕上げて
ますが、過去には様々な理由で決められた時間内に仕上らなかったケースがあります。この場
合は、当然ながら初列車の運転を抑止し基準値内へ再度、仕上げていくことが求まられていま
すが、技術不足や計画の甘さ・見落としなどにより作業が遅れ、「基準値より少しくらいなら後
日、仕上げれば大丈夫」との誤った判断を行い、仕上り不足の状態で作業を終了させてしまう
といった残念なケースがありました。このような反省に立ち経験から学べば「事後の百策より
事前の一策」との考えにたどり着きます。線路工事(軌道・土木)での仕上がりは、安全と同様
に事前の調査や準備・備えに力を入れて取り組まなければなりません。また、社員の皆さんが
安心して働ける職場環境へ常に取り組んでいくことも重要な仕事のひとつです。夏季の“冷や
す取り組み”や冬季の”温める取り組み”そして“働き方改革”など、時代に沿った労務管理に
取り組み社会の一員として正しく企業活動ができる会社へこれからも発展させていきたいと考
えています。
B「美しい会社」をつくる
私たちは鉄道を支えるプロとしての美しさと誇りを持たなければいけません。タイトルにある
美しい会社とは、社内の整理整頓が行き届いていることのみならず、雨の中、雪の中、うだる
ような暑さの中、凍える寒さの中、鉄道を支える使命感を背負って働く社員の姿勢が美しいと
捉えています。さらにプロとしての美しさとは(1)困難な場所や条件でも予定通りに完成させ
る、(2)災害時にいち早く現場へ駆けつけ経験から導き出した復旧プランを掲げ早期に列車の運
行再開に貢献する、(3)線路内への立入り時や要所要所の確認に腕をまっすぐ目標に向けて指差
し確認する(4)自分の活動するエリアの線形や設備情報を常に把握している、(5)線路内や駅の
ホーム下に落ちているゴミや支障物の撤去を進んで実行する、(6)安全は「お節介なくらいでち
ょうどいい」という概念を持ち仲間の命を守るため声かけを積極的に行う、(7)家族や友人に自
分が鉄道を支えていることの自慢ができる、以上の7点に集約しました。これらは私が24年の
間に見てきた諸先輩らの働く姿に深く感銘を受けた事柄で、このような素晴らしい文化は未来
へ受け継いでいきたいと考えています。
〇45年の歴史から次の時代へ
昭和54年(1979年)5月に発足したわが社も現在は45年目となり、あと5年後には節目の50年を迎えます。会社の発足当時は、“イケイケドンドン”と表現される高度経済成長期の時代ではありましたが、瀬口社長の経営方針である「堅実経営」、「他社が敬遠した仕事を率先して請け負う」、「仕事の機械化」が発注者様から評価され、競合他社がうごめく北関東にて根を張り現在に至っております。時代は刻々と変わり“少子高齢化による人手不足”や“仕入れ価格の高騰”など、国内のどの産業においても厳しい時代となっていますが、何事も前向きに取り組み心だけは豊かにして頑張っていきましょう。そして、次の時代へ会社を発展させ、変わらない私たちの使命である鉄道の輸送を守り続けるために毎日を充実させていきましょう。どうぞよろしくお願いします。
維新建設株式会社
代表取締役 庄田 雅直