社報紹介
マンスリーミツワ2023年5月号より抜粋(庄田専務)
マンスリーミツワ2023年5月号より抜粋(菊池次長)
マンスリーミツワ2023年5月号より抜粋(川島所長)
マンスリーミツワ2023年5月号より抜粋(森副所長)
マンスリーミツワ2023年5月号より抜粋(荒田副所長)
マンスリーミツワ2023年5月号より抜粋(齋藤所長)
マンスリーミツワ2023年5月号より抜粋(大宮所長)
マンスリーミツワ2023年5月号より抜粋(大塚副所長)
マンスリーミツワ2023年5月号より抜粋(大野所長)
マンスリーミツワ2023年5月号より抜粋(成田担当所長)
マンスリーミツワ2023年5月号より抜粋
安全週間に目指すもの
維新建設梶@専務取締役 庄田 雅直
〇全国安全週間は熟成96年もの
7月1日から7日までの「全国安全週間」に向けて、今年も6月から準備月間に入ります。このわが国における全国安全週間は、昭和3年に実施されて以来、今年で96回目の年数を数え、「人命尊重」という基本理念のもとに“自主的な労働災害防止活動の推進、安全意識の高揚と安全活動の定着を図ること”を目的として約1世紀、つまり96年の安全活動が蓄積され続けています。今から約1世紀前の大正から昭和初期と言えば、富国強兵と国家の拡大路線を主とする帝国主義が政治の中枢となり第一次世界大戦へと揺れ動いた時代です。このような時代に始まった安全週間は、当時の建設業界においてどのように“人命尊重”の理念を浸透させていったのか想像するに余りあるわけですが、利益よりも安全を最優先とする考え方は、現在の建設業界において今さら説明する必要はなく定着しています。このことから、わが国の産業界全体に広く安全意識が根付いた背景には96年続く「安全週間」の文化が深く影響していると感じています。
そこで、わが社でも安全主唱者である厚生労働省が実施事項として求めている安全大会を、2006年(平成18年)6月の準備月間に記念すべき第1回として開催しています。ここから今日に至るまで、全社員が集いし作り上げることをコンセプトとした“安全の大会”を毎年実施してきました。残念ながら、コロナ禍を鑑み2020年大会と2021年大会は2年続けて中止といたしましたが、第1回開催から数え18年目で第16回となる、6月10日(土)に開催予定の大会スローガンは「高める意識と安全行動 築こうみんなのゼロ災職場」となっています。社会活動においては「ウィズ・コロナ」と呼ばれ新たなフェーズに入っていますが、安全においては先輩たちの苦い経験から学び「反省と改善」を重ね少しずつ進化させてきた人命尊重の意識を高め、自分の命・仲間の命・お客様の命を守るために必要な安全行動を再確認する大会にしていきたいと考えています。そこで、今大会のプログラムについて、私から社員の皆さんへ伝えたいことをいくつか紹介します。
〇永年勤続表彰と安全功労表彰
言わずもがな、人材は会社の財産であります。人材なくして会社は成り立ちません。毎年5月末日を締め日として、入社日から満5年、10年、15年…と、キャリアを5年で区切り対象となった社員に対して勤続の感謝を込めた表彰を行っています。また、安全功労表彰は1年間の安全活動を通してもっとも貢献度が高かった社員を所長が推薦し、会社としてその活動を認定した結果にもとづき表彰に至っています。言わば安全のMVPと言っても良いでしょう。永年勤続表彰とは違い誰もが順番に受賞できるわけではありませんが、所長以上の幹部社員や役員を除く全ての社員にチャンスはあります。また、現場の責任者や熟練社員が選定されやすいと思われがちですが、過去には入社3年未満の経験が浅い社員が受賞した実績もあります。現場を安全作業で仕上げていくためには、それ相応の準備が欠かせません。この準備や段取りでの場面や、小集団活動での活躍または貢献度にスポットライトを当てることもあります。つまり、現場の安全は準備の段階で形成されていますので、この場面でよく頑張ってくれた社員も当然ながらMVPの対象にしているのです。また、所長からの推薦が無かった年も過去にはありましたので、そのくらいシビアに選定を行っている表彰制度だと付け加えておきます。
〇ご来賓様からの応援メッセージに感謝
私たちの安全推進大会には、これまで多くの取引先様幹部の方々にご来賓として参加をいただいております。前段の永年勤続表彰や安全功労表彰を受賞した社員に向けたお祝いメッセージをいただき授賞式に花を添えていただいております。また、維新建設に特化した安全行動のアドバイスや、取引様が定めた安全のルールなどPPを活用しながら細かく説明をいただいております。本来ならば、取引様が定めたルールを維新建設の社員に指導するのは私をはじめ我々、責任者らの責務であります。にもかかわらず、毎年、維新建設の安全推進大会を通じて心温まる応援メッセージを多くのご来賓様よりいただいていることは本当に頭が下がる思いです。見方を変えれば、同業者の中でも維新建設に対して特別なご配慮をいただいている分、大きな期待を寄せられていることとなり背筋が伸びる思いであります。くどいようですが、わが社および社員のために時間を割いて参加いただくご来賓の皆様と共に、安全推進大会が今年も開催できることに大変感謝しております。
〇安全活動報告が成長の足跡
前段で述べた“取引先からの期待に応える”会社として、もっとも重要なことは事故を起こさないこと、安全を最優先で請けた仕事を完成させることであります。これを踏まえて、維新建設の4事業所は私から与えられたテーマに沿った安全活動の取り組みを整理して、毎年、安全推進大会にて発表しています。ちなみに、今年の発表テーマは、〇宇都宮事業所:「東北線における機械化の潜在リスクと対策」〇古河事業所:「墜落・転落災害への取り組み」〇館林事業所:「ヒヤリハットからの気づき」〇小山事業所:「小山の拘り“仕上がり確認と跡確認”」としています。
当然ながら安全の大会ですので、この活動報告がメーンのプログラムとしていますが、私としては当日の発表の出来栄えより、もっと重要視していることがあります。それは、発表データを作成するまでのプロセスがとても重要だということです。まず、事業所が発表データを作成するため最初にやることは、実行メンバーを構成するところから入ります。そして、与えられたテーマに沿って自分たちの安全活動を整理していきます。おそらく、この整理作業で必要な写真や動画編集を続けると、いくつかの疑問点や不十分な状況が見つかってくると思います。これらを所長や仲間にぶつけ、協議を重ね問題の解決に進まなくては事業所としての整理が出来ません。従って、発表データのつくり込みに、実行メンバーの中から誰かがリーダーとなり、事業所に所属する社員らを巻き込んで意見や改善策をまとめていかなければなりません。さらに、発表データを整理するためのルールとして、取り組んでもいない虚偽報告の発表は不可とする。また、取り組めるかどうか怪しい内容も不可としています。そして、修正を加えながら3回〜4回の発表リハーサルを経て安全推進大会本番での発表に至っています。つまり、仕上げた発表内容は必然的に会社の安全レベルを押し上げていくことになります。また一方で、活動報告をまとめる実行メンバーの中から新たなリーダーが生まれる育成のトレンドとして、これからも大きな成果となりますので、私としてはこの作成プロセスこそが会社の成長剤だと考えています。
〇変わらない安全の担保と社会貢献
昨年の社報に述べていますが、私たちの仕事の課題は、作業する時間に大きく制約されていることです。とくに、東北本線小山・宇都宮エリアの作業時間は“110分”と業界では突出した短時間で仕事を完結しなければなりません。過去の苦い経験から事故を起こす要因として、結局のところ“計画の甘さ”に集約されます。何とかなるだろうといった根拠のない自信、想像力の欠如、そして準備不足が挙げられます。この準備不足での典型的なパターンとして、作業着手時のペースが中盤から後半にかけて徐々にヒートアップして、線閉解除時間が迫っている頃には追われるように役職者らが従事する仲間を急き立ててしまい、ついには大切な安全のルーチンワークを忘れてしまうことがあります。
昨年と同様に繰り返しとなりますが、この時間に制約ありという課題を解決するためにも、逆転の発想が必要です。あわてない施工計画の立案、あわてない準備、あわてない線閉着手の手続きとWチェック、あわてない線閉OKカードの唱和と線路立入り、あわてない仕上がり確認と跡確認を毎日、繰り返し実践していくことです。この“あわてない”取り組みは、わが社の社員を守るため、また鉄道輸送を守り社会に貢献するために欠かすことのない安全の担保として、18年目で第16回開催となる安全推進大会を機に、今年も社員全員で安全の誓いを立てたいと思っています。